抗アンドロゲン療法は大人ニキビ治療に向いている

抗アンドロゲン療法とは、男性ホルモンの働きを抑えることで症状の改善を目指すというニキビ治療法です。

20歳を過ぎてからもできるニキビのことを大人ニキビと呼びますが、これができる原因の一つには男性ホルモンが関わっていると言われています。

男性の肌

男性ホルモンの働きには皮脂腺を発達させる作用や角質を厚くする作用などがあるため、このホルモンを抑制することでニキビの発症を抑えることができるとされています。

この治療法は男性ホルモンそのものを減らすのではなく、このホルモンが作用する受容体(レセプター)の方をブロックすることでその働きを抑制するのが特徴です。

男性ホルモン受容体の反応が強いためにニキビができている人は、ホルモン補充療法よりもこちらの治療法が向いています。

この療法を行う時には男性ホルモン受容体をブロックする薬剤が処方されますが、効果が2~3カ月ほどで感じられることが多く、ニキビ治療法の中でも効果が実感しやすいことが魅力になっています。

ニキビ治療には活性酸素の力を借りるものもある

抗アンドロゲン療法は効果の高さが魅力ですが、ずっと続けられる治療法ではないため、他のニキビ治療法と併用するのが良いとされています。

この治療法と同時に行うのがおすすめのニキビ治療の方法としては、ケミカルピーリングという古くなった角質を除去して皮膚のターンオーバーを促進する方法が効果的です。

また、光線療法というニキビの原因菌のアクネ桿菌を殺菌する治療法の使用も考えられます。

アクネ桿菌は皮脂を栄養源にして増えた後にポルフィリンという物質を発生させますが、そのポルフィリンに光線療法の光の照射を行うと活性酸素が発生してアクネ桿菌の殺菌が可能になります。

このような光線療法はケミカルピーリングの後に行うこともありますし、患者さんの状態によっては更に強力な光線力学的療法が向いていることもあるでしょう。

患者に合わせる

大人ニキビの治療は男性ホルモン受容体へ働きかける薬剤を使用してニキビを新たに作らないようにしながら、他の方法も併用して症状の軽減や肌質改善を目指すのが良いので、クリニックで相談してみましょう。